当番世話人挨拶
第4回腹腔鏡下胆道手術研究会 当番世話人 倉内 宣明 (苫小牧日翔病院 外科) |
近年急速に普及して参りました内視鏡外科手術は1990年に本邦で始めて行われた腹腔鏡下胆嚢摘出術がその端緒となっています.その対象疾患である胆嚢結石の約1割には総胆管結石があり,総胆管結石に対しても腹腔鏡手術が普及するべきでした.しかし,胃癌,大腸癌などの他の消化器疾患に対する内視鏡外科手術へ関心がシフトし,更に経口内視鏡治療手技(十二指腸乳頭切開)が飛躍的に進歩したために健全に発展・普及するべきところの1回の手術で胆嚢摘出と総胆管結石摘出を腹腔鏡下に行う治療が停滞しました.最近では胆道癌の切除をも腹腔鏡下手術で行う気運も高まって参りました.
本研究会(LABS)は上述のような医療情勢を鑑み,国民に真に必要な腹腔鏡下胆道外科手術を外科医が研鑽し普及することを目的に2011年に発足したものです.
4回目となるLABSでは総胆管結石の治療を外科医が修得し普及すること,患者に真に有益な総胆管結石治療について当該外科手術と現在盛んに行われている経口内視鏡治療との接点を見いだすこと,ならびに胆道癌,先天性胆道拡張症にて不可避の胆管消化管吻合を腹腔鏡下に行う手技を学ぶことなどを目的に開催します.
また折しも腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術および肝切除術での死亡が社会問題となっており,LABSは手術の健全な発展のために重大な責務を担う学術団体であると覚悟を新たにしております.
当番世話人は現在苫小牧在住でありながら広い地域から参加をいただくために札幌で開催する事情から,当番世話人の出身教室である北海道大学消化器外科分野Iの武冨紹信教授のご快諾を得まして学会事務の御協力を頂戴することになりました.
皆様のご参加を心よりお待ちしております.